スプラシューターと.52ガロンの初弾の拡散の比較

この記事はVer.5.0.1の頃に書かれています。

スプラシューターと.52ガロンの初弾の命中率を検証した記事です。 

発端

スプラシューターと.52ガロンはゲーム内での地上射撃の拡散の大きさは同じ6°に設定されている。

これはゲーム内の照準の周りにある白い4つの線の間隔が同じであることからも確認できる。

スプラシューターの照準

.52ガロンの照準

しかし、両者の実戦における弾の命中率は異なっており、多くの人がスプラシューターの方が命中率が高く、.52ガロンの方が命中率が低いと感じていると思う。

2019年7月にシューターの地上射撃に関する以下の記事を記述した。

smssmooth.hatenablog.com

この記事内では、スプラシューターと.52ガロンの初弾の命中率に関連するパラメータは以下のようになっている。 

ブキ名	通常射撃拡散[°]	1発目のブレ(最小のブレ)
スプラシューター	6.0	0.01
.52ガロン	6.0	0.02

通常射撃拡散はゲーム内で確認できる照準のパラメータ、1発目のブレはゲーム内では確認できないが内部でブキ毎に設定されている初弾のブレに関するパラメータである。

実際の初弾ブレの大きさは両者を掛け合わせた数値となっている。

これらの数値はブレの大きさであるため、命中率を高くするには小さい方が好ましく、1発目のブレの数値が大きい.52ガロンの方がスプラシューターよりもブレるはずである。

これに関連する先行の検証としてスプラトゥーン2 2ch wikiの以下のページがあった。

wikiwiki.jp

このページの検証を行ったのはVer.2.2.1の頃(=2018年1月頃)であるためデータが古いが、この方の検証ではそれぞれ400発射撃してスプラシューターと.52ガロンの初弾の命中率は以下のようになっている。

ブキ名	試し撃ち場ラインの本数	命中率（初弾）
スプラシューター	2.6	47.75%
.52ガロン	2.6	80.25%

この検証結果では、スプラシューターよりも.52ガロンの方が命中率が高くなっている。

これは私の予想とは異なる結果であり、非常に興味深い内容だったので、Ver.5.0.1にてスプラシューターと.52ガロンの初弾の命中率を調査してみることにした。

検証方法

今回は、試し撃ちでスプラシューターと.52ガロンを等距離からの初弾の命中率を検証した。

今回の検証前に条件を以下のように設定した。

(後から条件を設定すると結果を都合よく操作できてしまうため事前に設定する)

• メイン性能アップのギアパワーは0
• 射撃位置はスプラシューターの照準ギリギリの2.3本とスプラシューターの水平な弾がギリギリ命中する2.6本の2箇所で検証する
• ジャイロはオフ、その場から1歩も動かず射撃
• 両者とも一定時間を空けて1発ずつ射撃することを500回繰り返して的に当たった回数を数える

補足説明

スプラシューターと.52ガロンの照準は、持ち替えた際に.52ガロンの方がやや上に照準が出ているが水平に飛ぶ弾の軌道は同じなので照準を下に下げずにそのまま射撃した。

一定時間空けて1発ずつ射撃するのは、シューターやマニューバーには連続で射撃すると射撃のブレが増加して命中率が落ちるという仕様が存在し、初弾の命中率に影響が出てしまうことを回避するためである。

射撃の増加したブレは射撃を一定時間やめると元に戻るので間隔を空けて射撃することで解決できる。

1発ならば射撃から連射フレーム+回復に必要なフレームを空ければブレは元に戻るので、スプラシューターは射撃後6+2=8F、.52ガロンならば射撃後9+8=17F空ければよい。

検証結果

• 2.3本の場合

 この距離がスプラシューターの照準が出るギリギリである。

スプラシューターはダメージが35.0、34.0、32.9の3種類が出る。

.52ガロンはダメージが52.0ダメージの1種類が出る。

この距離がスプラシューターの確定3発を維持できる限界だと考えてよいと思う。

スプラシューターで試し撃ちライン2.3本

.52ガロンで試し撃ちライン2.3本

試し撃ちライン2.3本で3連続でスプラシューターの弾が外れる映像

#Splatoon2 #スプラトゥーン2 #NintendoSwitch pic.twitter.com/F142RnIdyu

— スムス (@rougsmth) 2019年12月15日

 試し撃ちライン2.3本で2連続で.52ガロンの弾が外れる映像

#Splatoon2 #スプラトゥーン2 #NintendoSwitch pic.twitter.com/w5ztSGyYx9

— スムス (@rougsmth) 2019年12月15日

シャープマーカー、ボトルガイザーの初弾を除くブレがあるシューターの場合はこのように照準が合っていてもしばしば弾は外れる。(L3リールガンやH3リールガンはブレ1°のため命中率98~99%くらいであり極稀に外れる)

この距離での命中率は以下のようになった。

距離	スプラシューター	.52ガロン
2.3	0.890	0.868

検証の元データはこちら(1が命中、0が外れ)

スプラシューター	.52ガロン
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 考察

2.3本の距離では、スプラシューターの命中率が89%、.52ガロンの命中率が86.8%になった。

この距離ではスプラシューターの命中率の方が.52ガロンよりも高くなった。

この距離で相手を倒すのに、スプラシューターは3発必要なので無駄弾なしで倒せる確率は89%の3乗で70.4%、.52ガロンは2発必要なので86.8%の2乗で75.3%となる。

ただし、実戦だと連射するので連射によるブレ増加の補正があり、両者とも照準があっていることを仮定しても実戦での命中率は低いと思われる。

特に.52ガロンはスプラシューターの4倍のペースでブレが増加するため、両者の無駄弾なしで倒せる確率はそこまで差が出ないと思われる。

• 2.6本の場合

 スプラトゥーン2 2ch wikiで検証していた方はこの距離で検証していたので、こちらも試した。

スプラシューターはダメージが27.4、26.3の2種類が出る。

.52ガロンはダメージが50.7、49.3ダメージの2種類が出る。

両者ともここまで離れると照準は的に命中するマークではなくなる。

この距離がスプラシューターの水平に飛んだ弾が的に命中するギリギリの射程であり、.52ガロンが確定2発を維持できるギリギリの射程である。

スプラシューターで試し撃ちライン2.6本

.52ガロンで試し撃ちライン2.6本

試し撃ちライン2.6本で3連続でスプラシューターの弾が外れる映像

#Splatoon2 #スプラトゥーン2 #NintendoSwitch pic.twitter.com/6y0AwEN6J9

— スムス (@rougsmth) 2019年12月15日

試し撃ちライン2.6本で4連続で.52ガロンの弾が外れる映像

#Splatoon2 #スプラトゥーン2 #NintendoSwitch pic.twitter.com/o2mwlZOmXe

— スムス (@rougsmth) 2019年12月15日

ここまで離れるとスプラシューターの場合は下にブレた弾が的に命中しなくなった。

シューターの弾が上下左右にブレている証拠でもある。

この距離での命中率は以下のようになった。

距離	スプラシューター	.52ガロン
2.6	0.732	0.864

検証の元データはこちら(1が命中、0が外れ)

スプラシューター	.52ガロン
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 考察

2.6本の距離では、スプラシューターの命中率73.2%、.52ガロンの命中率が86.4%になった。

2ch wikiの方が検証した場合の2.6本の距離での命中率はスプラシューターが47.75%、.52ガロンの命中率が80.25%なので、スプラシューターの命中率は大きく異なるが.52ガロンは比較的近い結果となった。

実際に検証して感じたこととして、この射程はスプラシューターの命中率と.52ガロンの命中率から初弾のブレを推測するのには向いていないと感じた。

理由として、シューターの弾は照準通りに上下左右にブレるようになっている。

スプラシューターは2.6本離れると左右にブレた弾だけでなく下にブレた弾だと飛距離が届かないため命中せずに終わる。

一方、.52ガロンは左右にブレた弾のみ外れるため、上下にブレた弾の分だけ当たる数がスプラシューターよりも増える。

よって、射撃ブレを測定する場合では条件が対等でないため不適である。命中率の差を調べることに関しては問題はない。

恐らく、2chで検証結果を載せていた方は私よりも更に少し後ろで射撃して、上にブレたスプラシューターの弾のみが命中する位置から射撃していたのだと思う。このことを考えればスプラシューターが大幅に低いことも納得のいく結果だろう。

この距離で相手を倒すのに、スプラシューターは4発必要なので無駄弾なしで倒せる確率は72.3%の4乗で27.3%、.52ガロンは2発必要なので86.4%の2乗で74.6%となる。

ただし、実戦だと連射するので連射によるブレ増加の補正があり、両者とも照準があっていることを仮定しても実戦での命中率は低いと思われる。

このことを考えると2.6本の射程においては、スプラシューターは現実的に無駄弾なしでキルを狙える射程ではないが、52ガロンでは約75%確定2発の射程ではあることから.52ガロンの強みともいえる要素であり、.52ガロンがスプラシューターと差別化を図るには若干不安定ではあるもののこの2.3~2.6本付近で確2のキルを取ることが重要になると思われる。

検証して気づいた副産物

今回のスプラシューターと.52ガロンの検証をして気づいたことがあったので記述する。

・シューターの弾は上下よりも左右の方が大きくブレる

検証したところ、弾が左右にブレて的に当たらなかった回数の方が、上下にブレて的に当たらなかった回数よりも遥かに多かった。

実際、照準の周りのブレの形は正方形ではなく、横長の長方形となっておりこれに関しては照準通りであるといえる。

・Ver.4.6.0における.52ガロンの調整の意図(予想)

2019年4月3日に配信されたVer.4.6.0の.52ガロンの調整内容に以下のように書かれている。

support.nintendo.co.jp

最低ダメージを26.0から30.0に増やしました。

これだけが書かれているのだが、最低ダメージが26.0から30.0に変更されたところで、相手を倒すのに必要な弾数は4発から変わらないことから、せいぜい最低ダメージでもインクアーマーが破壊できる程度の恩恵しかなく、ほとんど意味がないと思っていたが、この調整にはダメージ減衰が入った場合のダメージが増加しているという効果があるということに気づいた。

具体的に書くと、

減衰フレーム	Ver.4.5.1以前	Ver.4.6.0
0	52.0	52.0
1	50.4	50.7
2	48.8	49.3
3	47.1	47.9
4	45.5	46.5
5	43.9	45.2
6	42.3	43.8
7	40.6	42.4
8	39.0	41.0
9	37.4	39.7
10	35.8	38.3
11	34.1	36.9
12	32.5	35.5
13	30.9	34.2
14	29.3	32.8
15	27.6	31.4
16	26.0	30.0

のように変化しており、射程2.6本で出るダメージが、Ver.4.5.1以前だと50.4と48.8だったが、Ver.4.6.0では50.7と49.3となることで100ダメージ越えがしやすくなっており確2が発生しやすくなっている。

このことから恐らく実質的な確2射程の増加が狙いの調整だったのだと推測できる。

しかし、この射程ではエイムがあっていても弾が2発連続で命中する確率が約75%であり、1F分確2の射程が延びた程度では大して強くならなかったのだと思われる。 

終わりに

今回はスプラシューターと.52ガロンの命中率の比較を行った。

個人的な意見を言うと、両者とも命中率が自分の想像よりも低かった。

射撃の試行回数が稼ぎ辛くて弾外すとデスに直結しやすいような攻め寄りなキルを取ることは、シューターというブキ種においては運要素が強めのリスクが高い行動であると感じた。(射撃精度の高い一部のシューターを除く)

.52ガロンは2発連続で当てなければ連射間隔の遅さから他ブキの劣化になりがちであるにも関わらず、奇襲からの50ダメージの2発キルが75%というやや信用しにくい確率程度しか成功しないため、使用する場合は不安定な要素がつきまとうことを覚悟しなければならないブキであると感じた。

誤字や間違い等があれば、指摘していただけると嬉しいです。

記事を書いた人のTwitter

https://twitter.com/rougsmth

最終更新日 2020年5月28日

2.6本における.52ガロンの命中率の結果を誤ってスプラシューターのデータを表記していたミスを修正しました。

関連箇所の考察を書きなおしました。