ラインマーカーの仕様と考察
この記事はVer.2.0.1の頃に書かれています。
ラインマーカー書いた記事です。
5000字程度の記事となっています。
目次
ラインマーカーはSplatoon3で新しく追加されたサブウェポンだが、弱い性能という評価をされているサブウェポンだと思う。なぜ弱いのかを自分の中で言語化したかったので記事にしてみることにした。
ラインマーカーと同じ投擲系でマーキング効果を持つサブウェポンのポイントセンサーを比較した表が下記のようになる。
赤色が優れている点、青色が劣っている点を示している。
ラインマーカー | ポイントセンサー | |
インク消費量 | 40% | 45% |
インク回復不能時間 | 0.833秒(50F) | 1.25秒(75F) |
インク効率アップ(サブ)の効果 | 最大20%減少 | 最大30%減少 |
ダメージ | 直撃30.0 持続0.0 |
0.0 |
攻撃範囲 | 直線8.4本(壁反射有り) | 放物線4.0本からの半径1.1本の球 |
金網通過 | 可能 | 不可能 |
照準 | 下にずれている | 標準 |
塗り面積 | 直撃0.7P 地面着弾0.3P |
0.0P |
マーキング時間 | 5秒(300F) | 8秒(480F) |
持続時間 | 1.75秒(105F) | 2.5秒(150F) |
サブ性能アップの効果 | 弾速アップ(最大8%増加) マーキング時間増加(最大100%増加) |
弾速アップ(最大34.7%増加) マーキング時間増加(最大100%増加) |
サブ影響軽減の効果 | ダメージ減少(最大50%減少) マーキング時間短縮(最大90%減少) |
マーキング時間短縮(最大90%減少) |
インク消費の少なさと直撃ダメージを与えられる点では勝っているのだが、マーキング性能に関しては、ポイントセンサーに大きく劣っている。
ラインマーカーと同じ投擲系で100.0未満のダメージを与えるサブウェポンのクイックボムを比較した表が下記のようになる。
赤色が優れている点、青色が劣っている点を示している。
ラインマーカー | クイックボム | |
インク消費量 | 40% | 40% |
インク回復不能時間 | 0.833秒(50F) | 0.833秒(50F) |
インク効率アップ(サブ)の効果 | 最大20%減少 | 最大20%減少 |
ダメージ | 直撃30.0 持続0.0 |
直撃60.0 近爆風35.0 遠爆風25.0 |
攻撃範囲 | 直線8.4本(壁反射有り) | 放物線3.2本からの半径0.8本の球 |
金網通過 | 可能 | 不可能 |
照準 | 下にずれている | 標準 |
塗り面積 | 直撃0.7P 地面着弾0.3P |
15.0P |
マーキング時間 | 5秒(300F) | - |
持続時間 | 1.75秒(105F) | - |
サブ性能アップの効果 | 弾速アップ(最大8%増加) マーキング時間増加(最大100%増加) |
弾速アップ(最大50%増加) |
サブ影響軽減の効果 | ダメージ減少(最大50%減少) マーキング時間短縮(最大90%減少) |
ダメージ減少(最大40%減少) |
クイックボムと同じインク消費でマーキングができる利点はあるが、ダメージと塗りで大きく劣っている。
この章では上記の表の各項目について掘り下げていく。
2.1 インク消費量、インク回復不能時間
ラインマーカーのインク消費量40.0%、インク回復不能時間50Fというのは、投擲系のサブウェポンで最低のインク消費量と最短のインク回復不能時間を合わせもっており、クイックボムと並んでギアパワーの補正無しで最も投げやすいサブウェポンである。
他のサブウェポンと比較した表が下記のようになる。
サブウェポン名 | インク消費量 | インク回復不能時間 | 回復完了時間 | 分類 |
ラインマーカー | 40% | 50F | 123F | 投擲系 |
クイックボム | 40% | 50F | 123F | 投擲系 |
カーリングボム(フルチャージ) | 70% | 30F | 157F | 投擲系 |
ポイントセンサー | 45% | 75F | 157F | 投擲系 |
スプリンクラー | 60% | 60F | 169F | 投擲系 |
ポイズンミスト | 60% | 75F | 184F | 投擲系 |
ロボットボム | 55% | 85F | 185F | 投擲系 |
スプラッシュボム | 70% | 60F | 187F | 投擲系 |
キューバンボム | 70% | 60F | 187F | 投擲系 |
スプラッシュシールド | 60% | 85F | 194F | 投擲系 |
タンサンボム | 60% | 85F | 194F | 投擲系 |
カーリングボム(ノーチャージ) | 70% | 70F | 197F | 投擲系 |
トーピード | 65% | 88F | 206F | 投擲系 |
トラップ | 60% | 0F | 109F | 設置系 |
ジャンプビーコン | 75% | 0F | 136F | 設置系 |
※回復完了時間は今回の表で筆者が作った用語だが、サブウェポンを使用してから、自分のインクにイカセンプクし続けて、使用した分のインクが回復するまでにかかる時間を表したものである。
※カーリングボムはチャージ時間に応じてインク回復不能時間が段々短くなる仕様がある。
投げやすさに関しては、他の項目が癖のある強みであったり、弱い部分があちらこちらに目立つラインマーカーにとって貴重な素直に優秀な点であると思う。
ラインマーカーのインク効率アップ(サブ)は弱い。
インク効率アップ(サブ)の効果が最大20%というのは非常に効率が悪い。
ギアパワー | 0.0 | 0.3 | 0.6 | 1.0 | 3.6 | 5.7 |
インク消費量 | 40.00% | 39.20% | 38.50% | 37.60% | 33.30% | 32.00% |
サブウェポンにはインク効率アップ(サブ)の効果の大きさが設定されており、ラインマーカーはクイックボムと並んで最も悪いグループに設定されている。
20%減少に必要なギアパワー数 | 5.7個分つけた場合の減少量 | |
インク効率アップ(サブ)極小 | 5.7 | 20% |
インク効率アップ(サブ)小 | 2.6 | 30% |
インク効率アップ(サブ)中 | 2.1 | 35% |
インク効率アップ(サブ)大 | 1.8 | 40% |
グループ | 該当するもの | |
インク効率アップ(サブ)極小 |
|
|
インク効率アップ(サブ)小 |
|
|
インク効率アップ(サブ)中 | ||
インク効率アップ(サブ)大 |
|
効率が悪すぎるせいで、メインウェポンと合わせて使用するとインク効率アップ(メイン)の劣化になり、試合中のサブウェポンの回数を多くする用途だとインク回復力アップの劣化になるため、限定的な用途以外で使用すると劣化になってしまう。
使用するなら、ラインマーカーを2連投後にイカ潜伏してインク回復を挟んでから3個目投目を投げるまでの時間を短縮するか、インク効率アップ(サブ)を3.6以上付けて100%のインクから3連投する以外の2通りしかない。それ以外の用途はインク効率アップ(メイン)かインク回復力アップの劣化になる。だが、ラインマーカーのダメージは直撃30.0であり、3連投しても倒せないため3連投をする価値が低い。
インク効率アップ(サブ)の効果が最大20%というのは、Splatoon2においてクイックボムの3連投が猛威を奮った際に用意された懲罰的な数値設定である。この設定にされて以降3連投クイックボムの戦法というのは、流行の戦術にはなっていない。それにも関わらず、新しいサブウェポンであるラインマーカーには最初からインク効率アップ(サブ)が最大20%の設定しており、ラインマーカーが連投されることを警戒していることが伺える。しかし、現状のラインマーカーは3連投できてもさほど強くなく、新しいサブウェポンのラインマーカーに対して過剰な警戒をしていると思う。
ダメージにはサブ影響軽減も関わってくるため、合わせて説明する。
ラインマーカーの直撃には30.0ダメージがある。持続部分にはマーキングの効果があるがダメージは0である。直撃は1人にしか命中しないため、インク40%の消費に対して最大30.0ダメージはダメージ効率が悪い。
ラインマーカーの直撃ダメージは、サブ影響軽減の効果で最大50%減少する。
サブ影響軽減 | 0.0 | 0.3 | 0.6 | 1.0 | 5.7 |
直撃ダメージ | 30.0 | 28.5 | 27.1 | 25.4 | 15.0 |
サブ影響軽減のダメージ減少には、下記のような最大50%減少のグループと、最大40%減少のグループが存在する。
最大50%減少 | 最大40%減少 |
スプラッシュボム キューバンボム カーリングボム ロボットボム スプラッシュシールド スプリンクラー トラップ ラインマーカー |
クイックボム タンサンボム トーピード |
各グループのダメージ減少は下記のようになっている。
サブ影響軽減 | 0.0 | 0.3 | 0.6 | 1.0 | 5.7 |
最大50%減少 | 100% | 95% | 91% | 85% | 50% |
最大40%減少 | 100% | 96% | 92% | 88% | 60% |
これまで単発ダメージが100.0未満の投擲系のサブウェポンは最大40%減少のグループに設定されているのだが、ラインマーカーは最大50%減少にグループに設定されており、直撃の単体ヒットダメージにも関わらず、一撃死持ちのボムのカス当たり範囲ダメージと同じ減少率であり、厳しい設定である。
これまでのスプラトゥーン3のサブウェポンは、放物線に投げる投擲系、その場に設置する設置系、投擲系だが地面に沿って進むカーリングボム、投擲系だがほぼ決まった位置に投げるスプラッシュシールドの4種類である。
ラインマーカーの直線に投げる投擲系のサブウェポン、金網を通過できるサブウェポンという性質は初であり、独自のエイムが必要になる。直線に攻撃し、金網を通過できる性質というのはチャージャー種のメインウェポンに似た性質であると思う。
直線で8.4本というのは、メインウェポンで最長射程の4Kスコープのフルチャージ射程が6.7本であることを考えると非常に長い。また、弾速もとても速く、見てから避けるのは不可能である。この直線8.4本という射程の長さは平地で開けた場所に関しては強力ではある。ただし、大抵のステージは、遮蔽物、傾斜、凸凹のある構造となっているため、これほど長い射程をフルに活かせるほど開けた場所は多くない。
弾速をサブ性能アップで上昇できるが、弾速は最大8%上昇と他の投擲系サブウェポンの最大50%上昇と比べて上昇倍率がかなり低く、元の弾速が速いため、弾速向上や射程の増加目当てで付ける価値は低い。
ギアパワー | 0.0 | 0.3 | GP6 | GP10 | GP57 |
投擲速度 (DU/f) | 60.0 | 60.5 | 60.9 | 61.5 | 64.8 |
射程 (DU) | 420.0 | 423.2 | 426.4 | 430.2 | 453.6 |
射程 本数 | 8.4本分 | 8.4本分 | 8.5本分 | 8.6本分 | 9.07本分 |
50DU=試し撃ちのライン1本
DU(DIstance Unit)
ラインマーカーの直線の太さは狭く、ポイントセンサーのような索敵では使い辛い。見えている相手に当てておく用途で使用することになりがちである。
壁にぶつけた場合、反射する性質があるが、反射で当てるにはラインマーカーの独自の反射の挙動に慣れる必要がある上に、反射で相手に当てるには反射させるための壁が相手の背後に必要なのだが、そもそも反射させる壁がない場面が珍しくない難点がある。特に登り坂は反射する地面が存在しないため、下り坂より苦手である。
サブウェポンで唯一金網を通過できる性質がある。しかし、ラインマーカーは照準が下にずれているため、金網の上にいる相手のような、上方向の鋭角の相手には当てることができず、現状のSplatoon3にはデカライン高架下のような横方向に金網が設置されたステージが存在しないため通過できる性質を活かしづらい。
ラインマーカーの照準はメインウェポンや他のサブウェポンと比較して下方向にずらした設定がされている。このため、常時画面に表示されているメインウェポンと比べて、ラインマーカーの位置がずれているため、構えずに即座に投げる場合、ラインマーカーの独自の照準を頭に入れておく必要がある。ラインマーカーを投げてからメインウェポンを当てるコンボを行う場合、ラインマーカーを投げた後にメインウェポンを当てるために照準を上に補正する必要がある。照準が下にずれていることの弊害として、上方向の鋭角の相手にラインマーカーを当てることができない問題がある。このため、金網を通過できる性質があるが活かしづらい。
ラインマーカーの照準は下にずれていることの動画 pic.twitter.com/DwJO9h3pjJ
— スムス (@rougsmth) 2023年1月8日
ラインマーカーには塗りポイントが存在する。
塗りが発生する条件は、地面や壁に着弾した場合と、相手プレイヤー、スプラッシュシールド、グレートバリア、ガチホコバリアなどダメージを与えるオブジェクトに命中した2つである。地面や壁に着弾した場合は1回につき0.3Pの塗りが発生する。オブジェクトに命中した際は0.7Pと地面や壁に着弾した場合より大きな塗りが発生する。
ラインマーカーの塗りは、クイックボムの塗りの15.0Pと比較するとあまりにも小さい塗りだが、この塗りが発生することにより相手インクを踏んだスリップダメージを与えることができる。そのため、ラインマーカーを直撃させた場合のダメージは実際には30.0ダメージよりも大きいことが多い。
塗り面積がとても小さいため、相手がイカダッシュや射撃しながら移動している最中だと簡単に抜けられてしまう。そのため、相手を寄せないための塗りとしてはあまり役に立たない。
マーキング時間にはサブ性能アップの効果、サブ影響軽減の効果が関わってくるため、合わせて説明する。
マーキング効果を持つサブウェポンのラインマーカー、ポイントセンサー、トラップのマーキングの性能を比較すると下記のようになる。
ラインマーカー | ポイントセンサー | トラップ | |
マーキング時間 | 5秒(300F) | 8秒(480F) | 5秒(300F) |
持続時間 | 1.75秒(105F) | 2.5秒(150F) | - |
サブ性能アップ | 最大100%増加 | 最大100%増加 | 最大100%増加 |
サブ影響軽減 | 最大90%減少 少量で軽減大 |
最大90%減少 少量で軽減大 |
最大90%減少 少量で軽減中 |
※マーキング時間は、ラインマーカー、ポイントセンサーの持続時間中に命中した場合、投げてからの経過時間分だけ短くなる。
例 : ラインマーカーを投げてから1秒(60F)経過後に持続部分に命中すると、マーキング時間は4秒(240F)になる。
ラインマーカーのマーキング時間は、持続時間中に命中した場合、投げてからの経過時間分だけ短くなる。
— スムス (@rougsmth) 2023年1月8日
ポイントセンサーも同様の仕様。 pic.twitter.com/qZc8pqoKGS
ラインマーカーのマーキング時間は5秒で、同じ投擲系のポイントセンサーはマーキング時間の8秒と比べて短い。持続時間も1.75秒でポイントセンサーの2.5秒と比べて短い。総じて、マーキング性能はポイントセンサーに大分劣っている。
サブ性能アップはマーキング時間が最大100%増加する。
マーキング時間は増加するが、持続時間は増加しない。
増加倍率はラインマーカー、ポイントセンサー、トラップのいずれも同じ。
増加倍率が同じであるため、元々の時間が8秒と長いポイントセンサーが最も恩恵を受け、5秒と短めのラインマーカー、トラップには効果の恩恵は小さい。
サブ性能アップ | 0.0 | 0.3 | 0.6 | 1.0 | 5.7 |
マーキング時間 | 100% | 110% | 119% | 130% | 200% |
サブ影響軽減にはマーキング時間を短縮する効果がある。
ラインマーカー、ポイントセンサーは少量のギアパワーでマーキング時間が大きく短縮される仕様がある。トラップはそのような仕様ではなく、少量でのマーキング時間の短縮の効果が小さい。
サブ影響軽減 | 0.0 | 0.3 | 0.6 | 1.0 | 5.7 |
ラインマーカー | 100.00% | 80.71% | 70.05% | 59.02% | 10.00% |
ポイントセンサー | 100.00% | 80.71% | 70.05% | 59.02% | 10.00% |
トラップ | 100.00% | 91.31% | 83.05% | 72.73% | 10.00% |
ラインマーカーのマーキング時間の性能は、マーキング時間がトラップと同じ5秒にも関わらず、ポイントセンサーと同じ少量のサブ影響軽減でマーキング時間を大きく短縮されるという、両者の悪いところ取りの性能となっている。
現状のラインマーカーに関して、個人的な感想は、
- インク効率は投擲系のサブウェポンの中でクイックボムと並んで一番良い
- 直線で8.4本の射程があり、弾速も速い
- ダメージを与えつつ、塗りつつ、マーキングできる
- インク効率アップ(サブ)がクイックボムと並んで最低効率
- 直線が細くて当てにくい
- 直撃で単体にしかダメージ与えれない
- ダメージが30.0と低い
- サブ性能アップの弾速向上効果は上昇倍率がかなり低い
- サブ影響軽減のダメージ減少効果のダメージ減少量が大きい
- 照準が下方向にずれている
- 塗りはあるものの塗り面積が小さすぎて、塗りとして全く頼りにならない
- マーキング時間がトラップと同じ5秒で、ポイントセンサーの8秒と比べて短い
- マーキング判定の持続時間も1.75秒で、ポイントセンサーの2.5秒と比べて短い
- サブ性能アップのマーキング時間増加は倍率はポイントセンサーと同じだが、元のマーキング時間が短いので活かしにくい
- サブ影響軽減のマーキング時間短縮効果がポイントセンサーと同じで少量のギアパワーで大きく短縮される
といった具合で、高評価点3、低評価点12のかなり悪い性能のサブウェポンだと思います。
非常に癖のある性能をしているにも関わらず、全体的に数値設定が低めで、自分のギアパワーでは強化し辛いのに、相手のギアパワーでは少量で大きく弱体化されるので、メタゲームにおいてもかなり悪い立場にあると感じました。
ラインマーカー - Splatoon3 - スプラトゥーン3 攻略&検証 Wiki*